競艇/ボートレースの即日帰郷について
競艇のペナルティの中でもかなり厳しい罰則である即日帰郷。
その名の通り、節の途中に例え翌日以降に出走予定のレースがあったとしても、即刻地元へ帰らなくてはならないというペナルティです。
一体どういった行為によって即日帰郷を言い渡されるのか、そして即日帰郷となった選手はどうなるのか?
舟券へ及ぼす影響などについても、詳しくまとめてみました。
即日帰郷になる行動や条件とは?
競艇は水上の格闘技とも言われるほど、時に命に関わる危険もはらんでいる競技です。
そのため、選手の安全を確保するためにも危険な行為に対しての罰則が厳しく定められています。
そんな罰則の中でも特に厳しいと言われる即日帰郷に値する行為は大きく分けて4つ。
・前検で不合格となったとき
・非常識なフライング
・スタート事故
・失格行為
これらの条件はあくまで選手自身に責任があるとみなされた場合に該当し、選手責任外と認められた場合には適用されません。
それでは4つの条件についてそれぞれ見ていきましょう。
前検で不合格
前検とは、節が始まる前に選手が事前に受ける検査のことです。
身体検査や持ち物検査が行われ、前検に合格しないと選手はレースに出場することができません。
前検で即日帰郷となるケースは3つ。
・規定値以上の体調不良が見られたとき
・選手登録証を持参していない
・遅参(会場入りに遅刻)した場合
この中でも特に遅参は重大な過失として重い処分がくだされます。
その節のレース出場が禁止されるだけでなく、日本モーターボート競走会の懲罰委員会に掛けられて出場停止および罰金処分の対象となるため、どれだけ実力がある選手であってもSG・プレミアムG1レースに1年間出場禁止となります。
ただし、台風などによる公共交通機関の乱れでの遅刻は即日帰郷にはなりますが、出場停止処分は下されません。
非常識なフライング
競艇では陸上競技などと違って、決められた時間内にスタートラインを通過するというフライングスタート方式が採用されています。
その決められた時間よりも0.05秒以上早くスタートラインを通過してしまうと、非常識なフライングとみなされて即日帰郷となります。
フライングについては他の記事でも詳しく解説しているのでよければ見てみてください。
→競艇のレースでフライングするとどうなる? 選手への罰則や予想への影響など
スタート事故
スタート事故とは、スタートの際のフライングと出遅れのことを指します。
出遅れはフライングの逆で、決められた時間より遅くスタートラインを通過することです。
先ほどの非常識なフライングだけでなく、通常のフライングや出遅れも同じ節の間に2回起こしてしまうと即日帰郷の対象に…。
競艇はスタートがかなり難しい競技と言われており、スタート事故を起こすと他の選手のスタートタイミングまで狂わせてしまう原因となるため、厳しいペナルティが定められているそうです。
失格となる行為
レース中に失格とみなされる行為を行った場合も即日帰郷となります。
主な失格行為は下記の通り。
・周回方向や周回回数の誤認
・タイムオーバー
・転覆・沈没・落水
・危険な転舵(危ないターンをすること)
・緊急避譲義務違反(緊急時に道を譲らない)
これらの行為を同じ節に3回以上行うと即日帰郷の対象となってしまいます。
即日帰郷となった選手はどうなるのか
即日帰郷を言い渡された選手は、その日のうちに荷物をまとめて地元へ帰らなくてはなりません。
ただし、同じ日に2レース出場する予定の場合は1レース目で即日帰郷となった場合も2レース目で出走することが出来ます。
ペナルティなど成績に与える影響
即日帰郷を言い渡された選手は、次の出走予定までレースに出走することが出来ません。
レースに出走することが出来ないと、賞金のチャンスが無くなるだけでなく出走手当てなどを受け取ることができなくなるため、大幅な収入減に繋がってしまいます。
また、選手の階級にはレース出走数も関わってくるので、ランクが落ちるかどうかの瀬戸際の選手の場合ほぼ確実に降級してしまうでしょう。
即日帰郷よりも厳しい罰則とは
即日帰郷よりも厳しいのが即刻帰郷です。
即刻帰郷が言い渡されると、選手は同じ日にもう1レース出走する予定があっても即刻帰郷の命令が下されたレースが終了した時点で帰らなくてはなりません。
即刻帰郷は、フライングに気がつかずにレースを続けてしまった場合や、極めて悪質な行為を行った場合に言い渡されます。
また、これとは別に途中帰郷というのもあるのですが、途中帰郷は選手の都合で帰郷する際に使用されます。
体調不良などの病気だけでなく、4月や10月下旬では時期の昇級や降級回避が決まった段階で途中帰郷する選手も。
昇級ギリギリの選手は、あえて残りのレースに出走しないことでそれ以上勝率を落とさないようにするという選択ですね。
即日帰郷のレース事例
なんと6艇中4艇が即日帰郷となった異例のレース事例をご紹介します。
2020年3月2日 G1浜名湖賞 開設67周年記念 静岡県知事杯争奪戦
1号艇:是澤孝宏
2号艇:森高一真
3号艇:峰竜太
4号艇:真庭明志
5号艇:河合佑樹
6号艇:山崎哲司
この日は向かい風8mというかなりの悪天候。
スタートがかなり読みづらい状況の中、なんと全艇フライング…!
その内の森高一真選手、峰竜太選手、河合佑樹選手、山崎哲司選手の4選手に即日帰郷が言い渡されました。
峰選手は翌日のドリーム戦への出走も決まっていた中だったのでファンにとってもかなり残念な結果に。
ただ、動画での波の様子を見る限り台風並のかなりの悪天候なのでこの状況でレースを決行した運営側にも問題がありそうですよね…。
予想で注意するべきポイント
その節でスタート事故を起こしているなど即日帰郷のリスクが高い選手は、リスク回避のためにスタートに慎重になったり、レースであまり積極的に攻めない傾向にあるため、要注意です。
スタート事故については出走表に記載してあるので、舟券を買う際に参考にしてみてください。