競艇に大事な安定板
競艇をやっていると時折聞くことがある「安定板」という言葉。
安定板について詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。
今回は安定板が付く条件や、レースに与える影響など競艇初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
競艇の安定板って何?
競艇の安定板とは、波が高い時や、風が強い時にボートへ取り付ける板のことです。
ただ、安定板が付く風速や波高に明確な基準は定められておらず、各競艇場の競争委員長が決定を下すのだとか。
安定板はなぜ付けるの?
競艇のボートは、強風を受けるとボートの舳先が浮き上がってしまい風に煽られ転覆してしまいます。
また、ボートが煽られてしまう事で他艇を巻き込む事故に繋がる事も。
これらを防ぐ為に安定板が使用されます。
安定板は選手を守る為に非常に重要な役割を果たしているのです。
なぜ安定板を付けるとボートが安定するの?
安定板はモーター下部の接水する部分に装着し、安定板を付けた分、接水面積が広くなります。
接水面積が広くなる事で、強風や波の影響を受けてボートの舳先が浮き上がった時に、モーターが水に沈み込むのを防いでくれるというわけです。
それによって転覆を防いだり、ボートを安定させたりします。
装着した方が安全なら、なぜ毎回付いてないの?と思った方も多いのではないでしょうか。
毎回安定板が付いていない理由は、安定板をつけることによって接水面積が広がり、モーターに対する抵抗が大きくなります。
それによってプロペラの回転が落ち、モーターのパワーも落ちる為、通常安定板は付けません。
安定板が付いた時はチルトに注目!
選手によっては安定板を装着する際にチルトを上げて調整する選手もいます。
これは先程説明した通り、安定板が付くことによりモーターの回転数が落ちるので、チルトを上げることでモーターの回転数を上げようと考える選手がいるからです。
逆に、安定板が付くことで乗りやすさが向上する為、チルトをあげない選手もいます。
安定板がついた時にはチルトにも注目しましょう。
チルトについてはこちらの記事で詳しく説明しています!
→競艇のチルトとは? プロペラの角度調整で変わることや舟券への影響
安定板に個体差はあるの?
競艇のモーターには個体差がありますが、安定板はどうでしょうか。
答えは個体差はほとんどありません。
ですが選手によっては、「安定板が反ってるものが良い」や「接水部分が出来るだけ滑らかな方が良い」など好みはあるようです。
ですが、どの安定板を使っているかなどは、私たちに把握する事は出来ないため気にする必要はありません。
安定板が付きやすい競艇場はあるの?
全国には24カ所の競艇場がありますが、安定板が付きやすい競艇場がいくつかありますので紹介していきます。
江戸川競艇
江戸川競艇場は波のうねりが非常に強く、強風も吹きやすい事から全国屈指の難水面と言われており、標準のものより小さい安定板がもともと装着されています。
江戸川競艇場で「安定板使用」の告知があった場合、標準のものより大きい安定板が装着されるので、小さい安定板と大きい安定板が2枚付いていると考えたら分かりやすいです。
そんな日本一の難水面と言われている江戸川競艇場を得意としているレーサーもいます。
その中でも好成績を収めているレーサーを3名紹介しましょう。
石渡 鉄平選手:江戸川競艇場で通算20回の優勝を誇り、出走数800回以上、通算1着数も300回以上と全選手の中で断トツの成績です。
飯山 泰選手:優勝回数は8回と少ないながら、通算1着数が200回以上と石渡選手に次いで2位です。
濱野谷 憲吾選手:江戸川での通算勝率が7.82、通算優勝回数が14回、出走回数は450回程と少なめですが好成績を収めています。
この3人の選手が出場していて、かつ水面コンディションが悪いレースは江戸川競艇場に限らず狙ってみるのはいかがでしょうか。
丸亀競艇
次に紹介するのが丸亀競艇場。
丸亀競艇場は冬になると強烈な向い風が吹く事があり、水面が悪くなる事が多いです。
三国競艇
福井県の三国競艇場は夏場は潮風、冬場は北風が吹き年間を通じて強い追い風が強いです。
強風により波が高くなり、安定板装着率が上がります。
安定板の影響は?
では、安定板が付くとどんな影響があるのでしょうか。
舟券予想にも繋がる部分なので、詳しく見ていきましょう。
アウトコースが不利になる
安定板を装着すると、水面に対しての抵抗力が生まれてしまう為、伸びが悪くなってしまうというのが欠点です。
その為、アウトコースが攻めづらくなり、まくりやまくり差しが決まりにくくなってしまいます。
また、安定板が装着されている時点で水面がうねっていたり、風が強い状況なのでアウトコースの艇が攻めにくかったりするというコンディションである事も原因です。
ですが、いくら安定板が付いていてもインコースのスタートが遅いとアウトコースのまくりやまくり差しも決まります。
安定板が付いている事でアウトコースが攻めづらくなり、インコース有利になると考えるようにしましょう。
艇の安定性が上がり、回り足が向上する
安定板を装着することにより、艇の安定性が増す為、回り足が向上します。
一般的に回り足が良くなるとまくりが決まりやすくなるといわれていますが、安定板を装着することで伸びが悪くなる為、そうもいきません。
モーターパワーの差が出やすくなる
安定板を装着することで伸びが悪くなる為、もともと伸びが無かったモーターに安定板を装着すると、さらに伸びが無くなります。
モーターのポテンシャル自体に影響を及ぼす為、良いモーターと悪いモーターとの差が大きくなってしまうという訳です。
しかし、まれに安定板を装着したことでプロペラとの相性が良くなり、舟足が良くなるという事もあるのだそう。
モーターについてはこちらの記事で詳しく説明しています。
→競艇予想ではモーターが重要!?性能や見方、勝率などを徹底解説!
安定板が付いたレースの予想はどうする?
では安定板が付いた時のレース予想はどうすればいいのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
インコースに入る選手を軸に考える
説明してきた通り、安定板が装着されるとアウトコースの選手が不利になる為、インコースの選手を軸にします。
インコースに入った選手がA1選手など腕のいいレーサーだと、1着になる可能性は高くなるでしょう。
アウトコースに入る腕の良い選手に注意!!
安定板が装着されモーターパワーが落ちるとはいえ、荒れた水面に慣れているベテラン選手やターン技術が優れている一流レーサーには注意が必要です。
スタートの時点ではアウトコースからのまくりやまくり差しが決まらなくても、道中の追い上げやターンでの逆転には注意しましょう。
見送るというのも一考
安定板が付いている時点でそのレースは水面が荒れている事がほとんどです。
スタート遅れやターンミスなども起こりやすく、予想自体が難しくなります。
舟券は購入せず見送るというのも重要な選択肢でしょう。
状況に応じて舟券を予想しよう!
いかかでしたか?
安定板が付くか付かないかで、レース展開も大きく変わってきます。
モーター、コース、選手の実力など総合的に判断して舟券戦略を立てていきましょう。