競艇/ボートレースの展示航走を攻略
ボートレーサーが本番さながらの走りを練習している展示航走。
しかし、展示航走はボートレーサーがただスタート前の練習をする場ではありません。
展示航走はモーターや選手の調子をお客さんに見せるための、いわばパフォーマンスの時間でもあるのです。
それを知ると、
「じゃあ、展示航走で何を見ればいいの?」
「どんな走りなら買いで、どんな走りならやめといた方がいいの?」
と次々展示航走への疑問が出てきますよね。
そこで今回は、展示航走にフォーカスを当てて見方やチェックポイントを紹介していきます。
展示航走は、「スタート展示」「周回展示」「展示タイム」の3つの見るべきポイントがあるので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
スタート展示の見方
ピットアウトからスタートまでの一連の動きを確認するスタート展示。
スタート展示のチェックポイントは「進入隊形」、「スタートタイミング」、「モーターの行き足」の3つです。
以下で1つ1つご紹介していきます。
進入隊形
競艇では1号艇が1コース、2号艇が2コースというように番号順でコースが決められているわけではありません。
競艇はインコースが有利になることが多いので、4~6号艇、いわゆるアウトコースの艇が少しでも優位に立つようにとインコースに入ろうとする場合があります。
このアウトコースがインコースに入ることを「前づけ」といい、番号順でコースに変化がない状態のことを「枠なり進入」といいます。
ここでポイント!
スタート展示の時点でアウトコースの艇が前づけの動きを見せる場合、本番でも進入隊形が崩れる可能性があります。
インコースの艇も、おいそれと有利なコースを簡単に譲るわけではありません。
前づけするとスタート展示で分かったら、本番ではそれを阻止しようと動きます。
このように進入隊形がスタート展示と本番とで異なる可能性があり、的中の難易度も上がるので、初心者は舟券購入を辞めるか投資額を少なくして楽しみましょう。
進入隊形は直前情報の画面でチェック可能です。
スタートタイミング
進入隊形と同じく直前情報の画面でチェックできるのがスタートタイミング!
このスタートタイミングは、選手がどのタイムでスタートを切れたかを示すデータになります。
競艇は決められた時間内に艇でスタートラインを切る「フライングスタート方式」という独特なスタート方式が採用されています。
そのスタートラインをフライングせず、できるだけ0.00秒に近いタイムで切るのが好スタートです。
なので、スタート展示のタイムが0.00に近い選手は好調と言えます。
F.03のように数字の頭にFが付いているのはフライング。
ただ、スタート展示でフライングがあったとしても、本番では調整をしてくるので必ずしも不調とは言い切れません。
ここでポイント!
スタート展示のタイムが0.00に近い選手は好調、Fでも0.5以内なら買い。
.05のフライングなら微調整で済むので好スタートを切ることも可能です。
一方、.05以上速いフライングの場合は調整も少し難しくなるので注意した方がいいですね。
最も注意が必要なのは0.5以上遅い正常スタートで、この場合はモーターの行き足が出ていないと判断できます。
行き足については次で説明しますが、0.5以上遅い正常スタートの場合は予想から外してもいいかもしれません。
モーターの行き足
前述したモーターの行き足とは、艇の速度がMAXになるまでの中間速のことです。
この行き足がいいモーターだと、スタートを始めてから第1ターンマークまでをスピードに乗って速くたどり着けたり、旋回してからの直線で他の艇よりも速くMAX速度になったりできます。
ここでポイント!
スタートを始めてから第1ターンマークまでをチェック!前に追いつくような艇は行き足が好調、追いつかれたり引き離されたりする艇は行き足が不調です。
モーターの行き足は事前情報でデータ化されません。
なので、実際に目で見て判断してくださいね。
周回展示で見るべきポイント
周回展示で見るべきチェックポイントは「モーターの回り足」、「艇の乗り心地」の2つです。
それぞれ事前情報でデータ化されないので、実際に目で見てチェックしてくださいね。
モーターの回り足を見る
モーターの回り足とは、ターンを綺麗に回れるかどうかの基準です。
モーターの回り足がいい艇はターンマークを小回りできたり、外側に流されにくかったりします。
ターン後すぐに加速できる、というのも回り足がよいモーターですね。
反対に膨らんだターンをしてしまい、外側に流されるような艇はモーターの回り足が悪いです。
ここでポイント!
艇の先端が早く内側を向いて小回りできる艇はモーターの回り足がいいから買い、外側に流れてしまうような艇はモーターの回り足が悪いので避けましょう。
艇がバタついていないか?乗り心地を確認
艇がバタついていないか?というのは、艇が左右に大きく揺れていないかという意味合いです。
これはターンをするときが一番分かりやすく、バタつきが少なくスムーズにターンができているように見えれば乗り心地がよい艇と言えます。
乗り心地がよい艇は思い切ったターンをしやすいので、アウトコースからの差しやまくりも決まりやすくなりますよ。
ここでポイント!
艇のバタつきをターンでチェックして安定しているようなら買いです。
展示タイムの見方
展示タイムのチェックポイントは、「モーターの伸び足」のみ!
こちらは初心者でも分かりやすいので、ぜひ今日から予想に役立ててみてください。
モーターの伸び足
モーターの伸び足は、直線でのMAX速度のこと。
直前情報の展示タイムが、モーターの伸び足をチェックする基準となります。
モーターの伸び足がいいと、逃げ切ったり直線で追い上げたりすることが可能です。
競艇では0.15秒の開きがあると、1艇身ほどの差がでると言われています。
ここでポイント!
展示タイムが好調の艇を選ぶのが吉!明らかに遅い場合は外すのが無難です。
一つの情報だけを頼りにするのは危険
ここまでスタート展示、周回展示、展示タイムの見方について解説しましたが、どれか一つの情報だけを頼りにするのはちょっと危険なんです。
たとえば展示タイム。
例として6月22日第31回グランドチャンピオン(児島競艇場)で行われた12レースの直前情報を見てみましょう。
出典:https://www.boatrace.jp/owpc/pc/race/beforeinfo?rno=12&jcd=16&hd=20210622
この情報だけを見ると、展示タイムが6.60で1番速い2号艇の徳増選手が有利ですよね。
しかも徳増選手なら実力も兼ね備えているので、展示タイムのみを参考にするなら1着予想もするでしょう。
ですが、このレースの結果は1-3-4。
2号艇の徳増選手は6着という結果でした。
展示タイムだけ見ていた人にとっては、この結果はちょっと意外ですよね。
ですが、出走表を見てみると徳増選手が乗っていた艇は2連率が最も低いモーターだったことが分かります。
このように展示タイムがよくても、モーターが悪ければレースで優位に立つのは困難です。
他にもそのときの風や水面の状況、選手の技術、競艇場の特性などが影響します。
風や水面の状況は「直前情報」で、選手の技術は「出走表」でチェックできます。
競艇場の特性は出走表などには載っていないので、事前にネットで調べておいた方がいいでしょう。
展示航走の情報を見極めて的中率をあげよう
今回は展示航走の見方や重要性をご紹介しました。
展示航走は、レースの予想を的中させるために最も重要な時間と言っても過言ではありません。
最初はいろいろな情報を見比べて予想するのは難しいかもしれませんが、見方が分かれば競艇がもっと楽しくなりますよ。