競艇/ボートレースに八百長はある?
勝負ごとの裏では度々話題に上がる八百長問題。
残念ながら競艇/ボートレース界にも八百長はあります。
今回はそんな競艇界の八百長問題について「八百長が起こる理由」「有名な事件」などについてまとめてみました。
競艇/ボートレースでの八百長とは?
そもそも八百長とは、金銭を授受することを条件にわざと負けたりすることで、日本では大相撲などでもたびたび問題にもなってきました。
ボートレースにおける八百長とは、大まかにはそのレースに出走する選手と、舟券を購入するお客さんにあたる人が共謀することで高配当の舟券を出し利益を得ることです。
競艇は一対一の大相撲とは違い、6人で行う集団競技。
6人全員で組織的に八百長を行うのはかなり非現実的ですよね。
そのため、1人で八百長を行うためには人気の高くなりやすい1号艇か2号艇から出走する際にわざと着順を落とすという手法が取られることが多いです。
競艇選手が八百長をするメリット
比較的高収入と言われる競艇選手が八百長に手を染めてしまうほどのメリットとはなんなのでしょうか。
答えはシンプルに「レースに勝たないことで多額の報酬を得ることが出来る」からではないかと思われます。
某有名な直近の八百長事件では億単位の報酬を受け取ったとの話も…。
競艇選手が八百長をするデメリット
単発で巨額の報酬を得られる八百長ですが、もちろんデメリットの方が大きいです。
直近の事件を見ても分かる通り八百長が発覚すると場合によっては犯罪行為として逮捕されることも。
法律的にはモーターボート競走法第72条〜第75条で八百長などの不正行為に対する刑事罰が規定されています。
八百長が行えるレベルの選手となると当然ファンからの信頼もある選手でないといけません。
そうなるとファンの期待を踏みにじる行為にもなり、その後の人としての信頼にも関わるような悪質な行為であるということが分かります。
競艇で実際に起きた八百長事件
ここからは、実際に競艇界で起こった八百長事件についてご紹介していきます。
史上最悪?西川昌希元選手が逮捕された八百長事件
競艇の八百長事件と言えば、記憶に新しいのが2020年に発覚した元三重支部所属の西川昌希選手とその親族2名による贈収賄事件。
競艇選手が不正な順位操作の見返りに賄賂を受け取ったとされる贈収賄事件で、名古屋地検特捜部は28日、新たに18レースで不正が行われ、計3425万円の賄賂の受け渡しがあったとして、元競艇選手の西川昌希容疑者(29)をモーターボート競走法違反(競走の公正を害する行為、収賄)の疑いで、親族の増川遵容疑者(53)=津市=を同法違反(同、贈賄)容疑で再逮捕し、発表した。
発表によると、2人は共謀して、2019年1月22日~9月21日、全国10競走場で行われた18レースで不正な順位操作を計画。レースの直前に西川容疑者が2、3着になるか、4着以下になるかを決めて実行した疑い。増川容疑者は3連勝単式舟券を的中。計3425万円の賄賂を現金と振り込みで西川容疑者に渡した疑いがある。
引用元:朝日新聞デジタル
西川昌希元選手とは
名前:西川 昌希(にしかわ まさき)
生年月日:1990年2月26日
出身地:三重県
階級:A2
支部:三重
登録期:第104期
登録番号:4559
身長:166cm
体重:52kg
選手引退日:2019年9月30日
西川選手は幼少期に両親が離婚し、母方の親族であった弘道会幹部の元で育てられました。
中学時代から組のシノギを元手にパチスロやナイター競輪、裏ポーカーなどギャンブルに明け暮れていたようです。
そのような中、たまたま見かけたボートレーサーの試験にまぐれで合格し、2009年に津競艇場でデビューすることに。
そして2013年にはA級に昇格、2015年にはSG競走デビューを果たし、三重支部の若手有力選手として期待される存在でもありました。
となると、A級選手としてそれなりに高報酬を得ていたはずですが、なぜ八百長に手を染めてしまったのでしょうか。
その理由は西川選手の凄まじいギャンブル癖。
西川選手は当時競馬などによる損失で、なんと2億円もの借金を背負っていたそうです。

そうして西川選手は自ら親戚に八百長の話を持ちかけることに。
八百長では西川選手の全盛期1年間分の獲得賞金額に相当する2500万円以上を数回のレースで稼げて、税金も取られないということで、「いったん不正の旨味を知った俺は、甘い誘惑から逃れられなくなった」と西川選手は語っています。
また、八百長に至った動機について、「カネだけが目的だったのかと言えば、そうではない気もする」とも話していて、八百長の構図をレースで演じ切ることに強い達成感を抱いていたそうです。
実際に八百長が行われたレース
八百長発覚のきっかけとなったレースの動画がYouTubeにも上がっていました。
2周目第1ターンマークで明らかにおかしな走りをしています…。
尼崎女子レースゴール前失速で出場停止処分
次の事件は2020年2月20日に尼崎競艇場で起こった八百長疑惑レース。
該当選手はなんと「12ヶ月の出場停止処分」というかなり重いペナルティを加されています。
このレースで何が起こったかと言うと、
2周目第1ターンマークで5号艇がエンスト。
その後1号艇が最終第1ターンマークに差し掛かる時に5号艇がエンストから復帰します。
ただボートレースの規定上、先頭の艇がゴールインしてから30秒以内にゴール出来ないと「不完走」となり失格となってしまうため、5号艇は失格の可能性が。
そこでなんと、そんな5号艇を気遣ったのか1号艇が1着の順位は保持しつつも、ラストターン後に不自然な減速をしてゴール。
1号艇の藤原菜希選手の優しさから出た行動と言われていますが、丁度西川選手の八百長問題でピリついていた競艇界では、その行為が「騒擾(そうじょう)を惹起(じゃっき)する可能性のある航法」、いわば八百長を想起させてしまうような行為であるとして審査の結果厳しい処分がくだされました。

この問題はファンの間でも賛否両論あったっすけど、あまりに厳しすぎる処分じゃないっすかね…
八百長疑惑のある怪しい選手
具体的に誰が八百長をしているかどうか、はっきりと断言は出来ませんが、現在もファンの間で八百長を疑われている選手はいます。
もし気になる方は検索してみてください。
八百長のあったレースは返金対象?
自分が買っていたレースで八百長が起こっていたら…。
と思うとお金を返して欲しい気持ちになりますが、今まで八百長と疑われるレースで返還されたケースは1度もありません。
明らかに詐欺的な行為なのに何故?と思う方もいるかもしれませんが、八百長を証明すること自体が難しく、そしてもし発覚しても現地で買った舟券に関しては誰にいくら返金をするのか辿ることが難しいからだと思われます。
今後も万が一明らかに八百長が行われたレースの舟券を購入してしまったとしても、フライングのように返還されるようなことはないと言えるでしょう。
競艇界の八百長についてまとめ
ここまで八百長の事件や方法などについてまとめてきましたが、そもそも八百長はどの業界でも決してあってはならない行為です。
選手同士の信頼はもちろん、ファンの期待を裏切る最低な行為ですし許せませんよね。
西川選手の事件を期に、運営陣も再発防止体制を強化しているようなので、今後はこのような八百長事件が二度と起こらないようにして欲しいですね。
2億の借金って普通にA級選手の年収でも借りれる金額じゃないし、そもそも元手がかなり怪しいっすよね。